名勝奥津渓は奥津温泉の下流3kmにあり、昭和7年4月19日に文部省より「名勝地奥津渓」に指定されています。
海抜400m、延長3km、吉井川の源流に臨み花崗岩の板状節理と浸蝕の美よりなる、岩床の高低屈曲に従って瀑布となり、急流となり、渕となって、数十万年かの歳月を要して、自然が形造った甌穴は「東洋一の甌穴」です。
鷹の巣山城跡や、大釣山の奇岩絶壁には、春にはこぶし、しゃくなげ、つつじ、夏は山頂より吹き下ろす冷風、秋は全山のモミジ・ブナ・カエデが目のさめるような紅葉の美を見せ、冬の樹氷、四季それぞれ風情に富んでいます。
◆甌穴について
水流が渦巻いて河床にあった石塊が数10万年の永い年月に亘って回転した結果、河床の花崗岩の接触部に凹を生じ、次第に穴が大きくなり、その中に落ち込んだ石塊が更に内部で渦を巻き、できあがったものです。
奥津温泉の下手の笠ケ滝から般若寺を経て、臼渕まで延長3kmに亘って十数個の甌穴があり、
河床にある甌穴は直径5m、深さ3mと最大級のものです。
もともと奥津渓一帯は、アクセス等の問題で一般の人々が知らない場所でしたが、大正3年に陰陽連絡道(現在の国道179号)が開設され、優れた景観が一躍観光地として脚光を浴びることになりました。
近年の自然志向の高まりにより、年間12万人を超えるの人出で賑わう観光スポットとなっています。
◆奥津渓八景
名勝奥津渓は、天狗岩の奇岩、女窟の断崖、琴渕、臼渕の甌穴群、鮎返しの滝、笠ケ滝、般若寺の太子岩、石割桜の八景からなっています。
また、大釣温泉から下流へ800m、臼渕の甌穴群までの遊歩道は自然探究歩道として多くの観光客に利用されています。
○その1景 奇岩の天狗岩
柱状節理の花崗岩が露出し、あたかも天狗を思わせる奇岩。
○その2景 女窟の断崖
天狗岩の下部、断崖と共に一大奇観。洞窟に「大釣大明神」と「大師様」が祀られている。
○その3景 琴渕
赤松の武将、大河原将監が愛馬と共に身を投じた場所。琴の音に似た音がする事から呼ばれる。
○その4景 臼渕の甌穴群
吉井川の流れが岸壁にさえぎられ、瀑布、深渕となり、数十万年を経て渓谷美を形成。
甌穴の浸蝕現象は全国的にも非常に珍らしく、日本を代表する甌穴で、地質学上価値ある存在。
※昭和29年(1954年)3月岡山県天然記念物に指定。
○その5景 鮎返しの滝
花崗岩の凹地を8~10mの瀑布となって落ち、水流の強さから鮎が上流へのぼれないため。
○その6景 笠ケ滝(井字の滝)
水の流れが河床の岩に従い右左曲折して流れ、なだらかに瀑布となって渕に落ちる(井字の滝)。
○その7景 般若寺の太子岩
般若寺の前庭に自然の形造った花崗岩の大盤石があり、太子堂が建立されている。
※現在は客室が設けられ、観光客に利用されている。
○その8景 石割桜
国道179号から小畑の入口にあったが、数百年もたっという老樹で、奥津渓のめずらしい景色を呈していたが、交通に支障を来たすことから、下流の松崎天民歌碑のそばに移転した。
□その他(大釣の赤樫)
吉井川左岸の急斜面に自生する樫の大木。周囲約7m、樹高約15m、推定樹齢400年。
■所在地/岡山県苫田郡鏡野町奥津川西
■アクセス/中国自動車道院庄IC→国道179号 約25分
■お問い合せ/鏡野町産業観光課 TEL:0868-54-2987



